学会誌

クラウドファンディングプラットフォームによる資金調達者へのアプローチ

日本の購入型クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」のデータを用いた実証分析を行い、主に以下の4 点を明らかにした。第一に、資金調達プロジェクトのプラットフォームへの掲載基準
を緩和した場合、プロジェクトの成功には文章・動画等による説明を充実させることが重要になる。第二に、「All or Nothing」方式のプロジェクトでは募集日数の増加が成功率を下げるが、「All in」方式ではその限りではなく、長期の募集が許容され得る。第三に、平均出資額が低い「All or Nothing」方式のプロジェクトでは、プロジェクトの成功に関わる要素が一部異なる。第四に、平均出資額が低いプロジェクトでは、「Allin」方式を選択しても成功率が下がるとは言えない。これらの結果は、クラウドファンディングのプラットフォーム運営企業の経営判断に資する知見と考えられる。加えて、日本において東京以外の地域でのクラウドファンディング定着の兆候が確認された。

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