企業規模の拡大とインターナルコミュニケーションの組織的取組みの変化
インターナルコミュニケーションは、社内コミュニケーションという言葉で広く使われるが、国内の中小・成長ベンチャー企業を対象として、従業員の満足度に焦点を当てて実証的に研究された例は少ない。
本稿では、1980 年代より米国を中心に発展したインターナルコミュニケーション満足度研究を利用して、国内の中小・成長ベンチャー企業を対象に、企業規模の拡大過程におけるインターナルコミュニケーション満足度を高めるような組織的な取組みとは何かについて、探索的に調査した。
12 ケースの社長、ミドルへのインタビュー調査と従業員に対するCommunication SatisfactionQuestionnaire (CSQ) サーベイを同時並行的に行い、重層的に深く調査し、比較分析した。結果として、社長のコミュニケーション意識や組織的な取組みの違いによって、CSQ のディメンジョンスコアに影響があること、ベンチャー企業を急成長させるには、企業規模の拡大に従い、組織的な取組みを変化させていく必要性があることを発見した。