2020年 第15回清成忠男賞 論文部門/第8回清成忠男賞 書籍部門 受賞者
<2020年度 清成忠男賞 論文部門(本賞) 受賞者>
高井 計吾 氏(京都大学大学院経済学研究科)
<受賞論文タイトル>「バイオベンチャーにおける提携ネットワークと研究開発活動」
<掲載誌名・号・年>『日本ベンチャー学会誌 Venture Review』No.35、2020年
<2020年度 清成忠男賞 論文部門(奨励賞) 受賞者>
内田 彬浩 氏(筑波大学大学院ビジネス科学研究科)
<受賞論文タイトル>「クラウドファンディングプラットフォームによる資金調達者へのアプローチ」
<掲載誌名・号・年>『日本ベンチャー学会誌 Venture Review』No.35、2020年
<2020年度 清成忠男賞 書籍部門 受賞者>
該当者なし
※肩書は執筆当時
論文(本賞)
論文(奨励賞)
<論文部門(本賞)論文要旨>
本研究では、日本における創薬、試薬系バイオベンチャーの研究開発活動と、バイオベンチャーが構築する提携ネットワークおよびネットワーク上の位置との関係を明らかにする。分析対象として1995年から2015年までに創業・設立されたバイオベンチャー186社を取り上げ、各組織が構築する共同特許ネットワークを分析した。結果として、ネットワーク上で他組織の関係を媒介する位置、すなわち橋渡し的ネットワークが特許出願数と正の相関を示していることが明らかになった。また、組織の出自および属性が、ネットワークの効果にどのような影響を与えるのかを追加的に分析した。結果として、バイオベンチャーが上場することはネットワークの研究開発活動への効果を押し上げるが、大学発であることはネットワークの効果を押し下げることがわかった。
キーワード:バイオベンチャー、提携ネットワーク、大学発ベンチャー、上場
<Abstract>
This study examines the factors that contribute to the R&D activity of drug discovery and reagent bio-ventures in Japan. We mainly focus on the external networks built by these ventures. We target 186 bio-ventures established from 1995 to 2015 and analyze the networks of their joint patent applications. We find that positions of bridging relationships with other organizations in the network; that is, betweenness centrality is positively correlated to R&D activity. We also analyze how the origins and attributes of organizations affect the network effect. Furthermore, we find that bio ventures’ IPOs boost the network effect, while being a university-launched venture reduces the network effect.
Key words : Bio-ventures, alliance network, University-launched ventures, IPO
<論文部門(奨励賞)論文要旨>
日本の購入型クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」のデータを用いた実証分析を行い、主に以下の4点を明らかにした。第一に、資金調達プロジェクトのプラットフォームへの掲載基準を緩和した場合、プロジェクトの成功には文章・動画等による説明を充実させることが重要になる。第二に、「All or Nothing」方式のプロジェクトでは募集日数の増加が成功率を下げるが、「All in」方式ではその限りではなく、長期の募集が許容され得る。第三に、平均出資額が低い「All or Nothing」方式のプロジェクトでは、プロジェクトの成功に関わる要素が一部異なる。第四に、平均出資額が低いプロジェクトでは、「All in」方式を選択しても成功率が下がるとは言えない。これらの結果は、クラウドファンディングのプラットフォーム運営企業の経営判断に資する知見と考えられる。加えて、日本において東京以外の地域でのクラウドファンディング定着の兆候が確認された。
キーワード:クラウドファンディング、購入型、実証分析、掲載基準、プロジェクト設計
<Abstract>
Four points about selection criteria and project design in crowdfunding were clarified by some empirical analyses using data of “CAMPFIRE” which is Japanese reward-based crowdfunding platform. First, it is important to enhance presentations in text and videos for the success of the project if a crowdfunding platform eases the selection criteria of projects. Second, it cannot be said that duration is negatively associated with the success rate in the project of “All in” model, which is in contrast to the result in the project of “All or Nothing” model. Third, the project with low average funds and “All or Nothing” model have partly different success factors. Fourth, it cannot be said that the selection of “All in” model is negatively associated with the success rate in the project with low average funds. These results will contribute to the management decisions of crowdfunding platforms. Besides, a sign of the development of crowdfunding in outside of Tokyo was confirmed.
Keywords: Crowdfunding, Reward-based, Empirical Study, Selection Criteria, Project Design