研究型プロジェクト一覧
研究型プロジェクトとは、先端領域におけるアカデミックなベンチャー企業研究を積極的に支援するプロジェクトです。
挑戦的な研究課題に取り組む少人数のチームを支援することを主たる目的としています。
活動内容詳細
アントレプレナーシップとウェルビーイング 研究プロジェクト
「企業家のエウダイモニック・ウェルビーイングの生成プロセスに関する研究」
アントレプレナーシップ研究で企業家のウェルビーイングは、その企業家が設立した企業の業績に影響を及ぼすことから重要視されています。こうした経緯から企業家のストレスや生活満足度との関連で企業家のウェルビーイングを検討する研究は着実に蓄積されてきました。しかしながら、当事者の身体感覚や人生の意味と関連づけて、企業家のウェルビーイングを検討する研究はまだ萌芽的な段階にあるでしょう。そこで本研究では、企業家のウェルビーイングの中でも「人間の行為によって達成可能な最高の人間の善」を意味するエウダイモニック・ウェルビーイングに着目し、その生成プロセスを臨床的なフィールドワークで明らかにすることを目指します。
代表者:伊藤 智明(横浜市立大学)
(活動期間:2024年6月1日~2026年5月31日)
活動内容詳細
京都の匠のクラフトマンシップとアントレプレナーシップ 研究プロジェクト
「京都の伝統産業がクラフトマンシップとアントレプレナーシップをいかに発揮するのかに関する研究」
京都は、特有の伝統産業が古来より発展している地域です。美術品や工芸品に携わる業者も多く、それらの製品には見る者を魅了する「匠の技」が遺憾なく発揮されています。
このようなイメージから、京都の伝統産業は、職人のこだわりや技術といったクラフトマンシップのみが注目されがちです。しかし実際は、職人らが自ら産業を興し、市場との関係を築き価値創造するというアントレプレナーシップの側面も有しています。ときに相反するような、性質の異なる二つの要素を京都の匠がいかに両立しているのか、そのメカニズムについて探究することが、本プロジェクトの研究目的です。
代表者:舟津昌平(京都産業大学)
(活動期間:2023年6月1日~2025年5月31日)
活動内容詳細
地域発イノベーションを推進する学生起業活動 研究プロジェクト
「地域における学生起業活動とエコシステムとの相互作用に関する研究」
従来、大学における起業活動研究の焦点は教員に当てられており、学生の起業活動に関する研究はいまだ不十分です。加えて、技術シーズや人脈をすでに保有する教員と学生では前提条件も異なるため、その相違を踏まえ学生の活動実態を把握する必要があります。
そこで、本研究では、「地域において学生がどのように起業活動を推進しているのか」および「大学を中心とした学生を取り巻く起業支援エコシステムはどのようなものか」という問いに、定性的アプローチを用いて応答します。それにより、学生起業促進のため地域において必要とされるアクターやリソースを抽出し、大学を核としたエコシステムの発展に資する知見の獲得を目指します。
代表者:池内 泰大(東北大学事業イノベーションセンター)
(活動期間:2021年6月1日~2023年5月31日)
活動内容詳細
ベンチャー企業によるミクロな正統性獲得プロセスの探求プロジェクト
「ベンチャー企業が自社サービスの正統性をいかにミクロな経路によって獲得するのかに関する研究」
本研究の目的は、ベンチャー企業が自社サービスにおける「ミクロな正統性」を獲得するプロセスを明らかにすることです。
ベンチャー企業は保有資源や知名度の乏しさゆえに自社サービスへの正統性が得られにくく、ゆえに顧客との接点を活用した「ミクロな正統性の獲得」が、市場の獲得と維持のために重要となります。このミクロな正統性が得られる過程について、リベラルマーケティング株式会社の協力のもと、定性・定量双方を含む大規模データの分析によって、研究課題の解明を行います。
研究を通して、正統性を確立し事業に安定性をもたらそうとするベンチャー企業への実務的貢献を目指します。
リベラルマーケティング株式会社ウェブサイト: https://liberal-marketing.com/
代表者:舟津 昌平(京都産業大学)
(活動期間:2021年6月1日~2023年5月31日)
活動内容詳細
災害と起業プロジェクト
「災害後の企業家活動の継続と進化」
昨今、多様な災害が頻発し企業活動に大きな影響を与えています。災害後に企業家が現れ、新事業を始めたり、イノベーションを興したりするという現象を取り上げた研究はこれまでもありました。しかしその多数は災害後数年間を対象としたものであり、長期的に追跡した研究は少ないと思います。災害直後に生み出され上手くいっていた新規事業でも、平時に戻るにつれ、その存続意義を問われたり、経営資源の調達や使用について見直しが迫られたりしています。また別の災害へも対応しなければなりません。本プロジェクトでは、災害後に現れた企業家活動の継続と進化について考察し、それに影響を与える要因を明らかにすることを目指します。
代表者:福嶋 路(東北大学)
(活動期間:2020年6月1日~2022年5月31日)
活動内容詳細
起業家メンタリング研究プロジェクト
「起業家メンタリングの理論研究と起業家メンタリングプログラムの実証研究」
経験豊富なメンターによるメンタリングを通して起業家の育成に取り組む「起業家メンタリングプログラム」が、アクセラレータープログラム等において実施されています。従来の起業家に対するメンタリングは、エンジェル等による自然発生的なメンタリングが主流でしたが、近年の起業家メンタリングプログラムは組織的に運営されています。本研究プロジェクトは、組織的に運営される起業家メンタリングプログラムを研究対象とし、マクロ組織論を中心とする学術的な体系に依拠した先行研究レビューと国内外の実態調査、実証研究に取り組むことで、起業家メンタリングプログラムのマネジメントにおける有益な知見の創出を目指します。
代表者:伊藤 智久(明星大学)
(活動期間:2020年6月1日~2022年5月31日)
活動内容詳細
大学発ベンチャー・エコシステム形成に関する調査研究プロジェクト
「主な研究大学におけるベンチャー・エコシステムとベンチャー集積地域(つくばと川崎)における地域エコシステムの現状と課題の把握、及び政策提言」
本調査研究は、大学発ベンチャーの<簇業>(そうぎょう=湧きいずるように草木が群生するような創業=多数新規創業)による地域経済活性化の方策を探ろうとするものです。地域エコシステム形成の分析枠組みの明確化の上に立ち、先進的研究大学10大学(東北、東京、東京工業、早稲田、慶応義塾、筑波、名古屋、京都、大阪、九州の各大学)におけるベンチャー・エコシステムの把握・分析、技術ベンチャー集積地域(つくばと川崎)における地域エコシステムの把握・分析を行い、研究大学から企業家大学への移行の課題及び大学発ベンチャーを柱とした地域エコシステム形成による<簇業>に向けた政策提言をまとめます。
代表者:原田 誠司(長岡大学)
(活動期間:2019年6月1日~2021年5月31日)
活動内容詳細
再訪・中堅企業:成長の節目を乗り越えようとする企業の調査研究プロジェクト
「中小企業が成長過程で直面しうるライフサイクル上の節目、および中堅企業の戦略オプションとしてのM&Aに焦点をあてる複数事例研究」
本研究では、成長の節目に面した中堅企業が戦略的M&Aを始動させ、完遂するまでの過程における重要ファクターを明らかにすることを目的とした複数事例研究を実施します。当該M&A案件のキーパーソンは何らかの企業家的意図に基づいてプロジェクトの実施を決断するものの、M&A交渉という高度に不確実な過程が進行するにつれて様々な障害に直面することが予想されます。本研究は買収側と被買収側の視点をともに考慮し、かつ企業内部で生じるダイナミズムを重視した行為的アプローチを採用することにより、M&A交渉プロセスに関する質的研究の到達点を前進させることを企図しています。
代表者:林 侑輝 (大阪市立大学)
(活動期間:2018年6月1日~2020年5月31日)
活動内容詳細
ASEANアントレプレナーシップ 研究プロジェクト
「大学生のアントレプレナーシップの国際比較」
ベンチャー企業のなかには、そのスタートアップ期からグローバル化を視野に入れるケースが増えてきました。とくにASEAN地域は日本のベンチャー企業の進出先として有望なエリアです。
そのような背景を踏まえ、当プロジェクトは、ASEAN各国および日本の大学生の起業家としての性格特性を把握し比較することを目的としています。進出にあたり、現地の人材確保・育成の視点から学生の起業家的資質の傾向を把握しておくことは意義あることと考えます。この成果を、日本およびASEAN諸国の人材育成プログラムの開発につなげていくことを目指します。
代表者:大江 建 (早稲田大学)
(活動期間:2016年6月1日~2018年5月31日)
活動内容詳細
ビジネスモデル構築 研究プロジェクト
「スタートアップ期におけるビジネスモデルの(再)構築と企業家の内省との関係についての対話型リサーチ」
本研究は、「企業家の『語り』のデータベース」を構築・分析することで、ビジネスモデル構築プロセスにおける企業家の「認識枠組み」とその変遷を明らかにすることを目的としています。加えて、研究者が解釈した認識枠組みを企業家に繰り返しフィードバックすることで、ビジネスモデル構築プロセスに関する新たな解釈の生成と企業家の「内省的語り」を可能にし、実践経営に活かすという循環モデルの開発も目指します。本研究を通じてわれわれは、理論的にはビジネスモデルの変化のメカニズムを試論的に提示し、また、実践的には企業家に対して新たな内省の機会を提供するモデル開発を試行します。
代表者:足代 訓史(大阪経済大学)
(活動期間:2014年6月1日~2016年5月31日)
活動内容詳細
ビジネスモデル教育 研究プロジェクト
「高等学校における起業家教育の効果に関するアクションリサーチ」
当プロジェクトでは、高等学校における起業家教育を通じての起業家精神の獲得プロセスを、知の視点から説明する理論的モデルを構築することを目的に研究活動を進めます。2013年度より新たに起業家教育にとりくむ青森県内の高校を主な研究フィールドとし、教育の現場に入ったアクションリサーチを行います。教育を通じて、高校生達が、起業に関する既存の知識・スキル・信念をどのように修正または追加し、起業精神を獲得していくのかを明らかにし、起業家教育の学習モデルを構築していくことを目指します。これを通じて、いかに起業家精神を持った人材を育成していくかという課題に応えていきたいと考えます。
代表者:大江 建 (早稲田大学)
(活動期間:2013年5月1日~2015年4月30日)
活動内容詳細
インキュベーション 研究プロジェクト
「地方において創業を実現するビジネスインキュベーションのあり方に関する研究」
1990年代後半以降、ベンチャー企業や新事業創出、地域経済の活性化等を目的としたビジネスインキュベーション施設が全国各地に設置されました。これらの施設の多くは、地方公共団体や経済団体によって設置・運営され、地方における創業支援基盤の一つとして重要な役割を果たしてきました。ビジネスインキュベーション施設は、設置目的によって様々な形態が存在しますが、本研究プロジェクトでは、特に創業の担い手が少ない地方において創業を実現する仕組みとしてのビジネスインキュベーションに着目します。各地の事例調査を行い、創業及び創業支援の現状や課題を分析するとともに、成果を上げた取り組みから成功要因を抽出することを目指します。
代表者:丹生 晃隆 (島根大学 産学連携センター)
(活動期間:2013年5月1日~2015年4月30日)